【スペイン】麗しのイスラム庭園、コルドバのアルカサル

スペイン南部のアンダルシア地方を代表する都市コルドバは、歴史的関係でヨーロッパというよりも、イスラムの文化が残るエキゾチックな街です。
今回は、そんなコルドバにある観光スポットの中でもイスラム文化が強く感じられる、アルカサルを紹介します。

概要

名称

アルカサル(Alcázar de los Reyes Cristianos)
正式名称は「カトリック両王のアルカサル」という意味です

所在地

Plaza Campo Santo de los Mártires, Cordoba

アクセス

まずコルドバまでは、マドリードから特急列車が便利です。
最速で1時間40分。
一日の便数も多いため、アクセスは難しくないと思います。
コルドバ中央駅から徒歩で30分弱。
コルドバでいちばん有名なメスキータからは、徒歩10分弱です。

こんな人にオススメ

アンダルシア地方を観光に来た方
イスラム文化に触れてみたい方
きれいな庭園でフォトジェニックな写真を撮りたい方

滞在時間

1時間くらいだと思います。
予約はしていませんでしたが、入園も繁忙期でなかったので、並ぶことなくスムーズに入ることができました。

費用

大人4.5ユーロ、学生は2.25ユーロ
オープンから1時間は無料開放しているそうです。
ちなみに、夏季は午後はオープンしていないそうなのでプランニング注意です。
そして月曜日も休館日です。

アピールポイント

アルカサルは、ヨーロッパの都市でイスラムの文化を体験できる貴重な観光スポットです。
セビリアにも有名なアルカサルがありますが、コルドバのアルカサルのほうがコンパクトにまとまっていて、アクセスもしやすいので私はすごく好きです。
また、コルドバでお目当てにしている方が多いと思われるメスキータからも、歩いてすぐなので観光しやすいです。
規模はセビリアに劣るかもしれませんが、その分ごちゃごちゃしてなくてシンプルで、それでいてイスラムの香りを十分に感じることができます。

イスラム文化が色濃く残る旧市街のオアシス

スペインの歴史で重要なポイントになるコルドバ。
レコンキスタ以前はイスラム圏でありましたが、最後の砦であるグラナダ攻略の拠点となりました。
アルカサルは、ナスル朝の王様を8年間監禁していたという少し怖い歴史もあります・・・。

ちなみにグラナダにはアルハンブラ宮殿があり、今では観光客でにぎわいます。
おそらくコルドバとセットで訪れる方が多いと思います。

また、大航海時代に活躍するコロンブスとも関係が深いようです。
(コロンブスが王様に会いに行った場所がコルドバのアルカサルだそうで、コロンブス像がありました。)
そんな歴史的重要スポットのコルドバですが、今では旧市街は花の小道といわれるほど美しく、華やかな街です。

私はコルドバの駅から散歩もかねて、徒歩でアルカサルに向かいました。
20分ほどで旧市街の入り口に着きます。

スペイン、アルカサルの旧市街の入り口

この水路と壁がなんともエキゾチックで、ここがイスラム文化の入り口になっています。
旧市街への門をくぐると、そこは白い街並みと花が咲き誇る、かわいらしい景色が広がっています。

スペイン、アルカサルのかわいらしい景色

迷路のような旧市街の細い道や路地裏には、お土産屋さんや飲食店が立ち並び、とてもにぎやかで、歩いているだけでとても楽しかったです。

カメラのシャッターが進みました。
青空と白い街って本当に相性が良くてとても好きです。
写真の奥に映っている塔のあたりがメスキータです。

私が訪れたのは10月の半ばだったため、お花の数は少なかったですが、きっと春にはもっとたくさんのプランターがあって、さらに美しい花の小道になっているんだなと思います。

ちなみにアンダルシア地方の夏は、余裕で35度くらいまで気温が上昇、日差しが厳しい酷暑のため観光はおすすめしません。

10月でさえも日差しが猛烈で、サングラスがほしいくらいです。
半袖に日焼け止めばっちりで挑みました。

エントランスでは童顔に見られる私は年齢を聞かれ、24歳だと答えると学生証を持っているか聞かれました。
学生は半額になるのはうれしいですね。
大人でも観光地のわりにお得な入場料金です。

入場してすぐに庭園が現れます。

スペイン、アルカサルの庭園

とてもきれいに手入れがされているのが分かります。
ヨーロッパの庭園の噴水って、だいたい真ん中に大きく水が吹き上がっているデザイン、そして水はあまりきれいではないイメージなので、このようなデザインはすごく心が落ち着きます。

スペイン、アルカサルの噴水

このように苔の付いた岩から水が流れる感じって、日本庭園にも似たような感じがしてなぜか落ち着きます。
大きな噴水の吹き上がる水と、落下する水の激しい音よりも、この滴るような水の音って和むんですよね。
さわやかで涼し気で、木陰に入ってずっと見ていられるようなきれいな庭園です。

噴水のうしろに王宮っていう、まさにオアシスのような雰囲気。

スペイン、アルカサルのオアシスのような雰囲気

宮殿も、ゴシック系などキリスト教カトリック文化のあるところでは、豪勢なごてごての装飾が施されているのをよく目にしますが、こちらはシンプル。
シンプルながらも、ヨーロッパでアラビアンな雰囲気は、なかなか他では感じることが難しいです。

そして建物の中に入ると、ローマ時代のモザイク画や石棺が展示されていました。
上にのぼると展望スポットになっていて、

スペイン、アルカサルで旧市街を一望

旧市街が一望できます。
この景色、ヨーロッパとは思えません。
ヤシの木でしょうか?
これがまたオリエンタルな雰囲気です。

旧市街の外にも広場にはヤシの木がたくさんあって、マドリードから鉄道で来た時には同じスペインとは思えない異国感を感じました。
本当に砂漠に突然現れたオアシスのような場所ですね。

スペイン、アルカサルのメスキータの塔

旧市街の目印でもあるメスキータの塔と白い街並みもばっちり見えます。

別角度からは、先ほどの庭園と馬術学校が見えます。

スペイン、アルカサルの庭園と馬術学校

改めて庭園の噴水をみると、大きさがよく分かります。
50mプールのようです。
もう少し早い時期だともっとお花が咲いていて華やかだったんじゃないかなと思います。

しかし十分エキゾチックな体験をすることができました。
また、私は見に行けませんでしたが、アルカサルのすぐ近くにあるローマ橋の向こう側からの旧市街方面の夜景はとてもきれいとのことです。
ライトアップされる王宮も見てみたかったです。

夜景を除けば、コルドバは旧市街に観光スポットが集まっており、旧市街の規模もそんなに大きくないので日帰り観光でも行けると思います。

バルセロナ方面からアンダルシアに足を延ばす方は、朝早くからマドリードを出発して、1日コルドバ観光、夜にセビリア着というプランも駆け足だったら行けると思います。

また、スペインはマドリードとバルセロナだけという方も、マドリードから日帰りも可能だと思います。
片道2時間かからないので、マドリードで時間があまった方は、ぜひアンダルシア地方の玄関口コルドバでこの異世界を体験してもらいたいです。

余談ですが、コルドバからアルハンブラ宮殿のあるグラナダへは、2019年の時点で列車が工事中のためとてもアクセスが不便になっています。バスがありますが時間もかかるので、1日観光終わりに移動はおすすめしません。

まとめ

いかがでしたか?
メスキータをお目当ての方が多いかと思いますが、旧市街のオアシス的な存在のアルカサルで、イスラム圏の文化を肌で感じてみてください。
ヨーロッパでこのようなエキゾチックな体験ができるのは、スペインの南部だけです。
他の国とスペイン周遊で、バルセロナやマドリードに行く時間しかないという方も、1日日程を延ばすだけで体験できます。
旅のスパイスとしてコルドバに行ってみたら、さらに旅が楽しめると思いますよ!

※この記事は2019年10月に行った際の体験談です。(20代前半/女性)